第6回展


マチに穴があいている

伊藤健太 オンレー 倉知朋之介 
ネータン・タン 速水一樹 ハンス・チュウ 東山真蔵

2024年11月18日(月)~ 12月20日(金)
12:00~19:00(金・土は20:00 まで)火曜休場

インターネットの普及はもう四半世紀以上も前の出来事で既に遠い過去の話であり、今日のわたしたちが暮らす都市では大量の情報やイメージが飛び交い、環境は様々な規模や形状から急速に変化をし続けています。

歴史や文化も新たな事実を蓄えながら日々更新を繰り返しており、私たちは必死に何かの背中を見失わないよう追いかけるように生活を送っています。

そんな環境下でも、真新しい変化を遂げることもなくひっそりと佇んでいる風景には、都市の変化のスピードとは裏腹にゆっくりと成熟し続けてきたアイデンティティが存在します。

そこは、私たちが立ち戻って遠い先のことを眺められる貴重な居場所であり、故にこれまで私たちは何もないように感じる風景や生活の中にも “形” を見出せると信じて制作を続けてこられたのだと思います。

本展示では、現代の都市や生活の中に存在する“中間のもの、空虚なもの、沈黙しているもの、抑圧されているもの、目に見えないもの” などといったそれぞれの視点を「マチの穴」という言葉で示し、文化的背景や芸術的実践、社会的な生い立ちなど全く異なる7人のアーティストたちが、既存の環境における潜在的な可能性から得た制作要因を作品によって示すことで、新たな都市(マチ)との向き合い方を改めて問う機会をつくります。

Contents

Artists

伊藤健太

ITO Kenta

1998 年 広島県生まれ。2020年滋賀県立大学環境建築デザイン学科卒業、2022 年多摩美術大学大学院グラフィックデザイン研究領域修了。
現在は名古屋を拠点としてタイポグラフィを中心とした個人制作とデザイン活動を行う。

主な展示会
2021年 個展「一等星」ミシン(東京)
2021年 「YY-25」y gion(京都)
2023年  個展「シュッ」だし・麺 未蕾(愛知)

《うた》2024年

オンレー

Onree

1995 年生まれのポルトガルを拠点とするセラミックアーティスト。ニューヨーク州立大学アルフレッド校セラミックス学科で美術学士号を取得。卒業後は日本で 5 年間を過ごし、伝統的および現代的な日本のセラミック技術に没頭。8 年以上のプロ経験を持ち、作品は⻄洋と東洋のセラミック伝統を融合させた機能的な陶器から彫刻的な作品、大規模なインスタレーションにまで及ぶ。

主な展示会:
2023年 個展 「What We Choose to See」Gallery Blue 3143(東京)
2023年 個展「Ad-Hominem」Gallery -1(APARTMENT HOTEL SHINJUKU)(東京)
2024年 「Cheia」Branda(Fiasco)(ポルトガル)

《Space Cadet》2024年

倉知朋之介

KURACHI Tomonosuke

1997 年愛知県生まれ。2024 年東京藝術大学映像研究科メディア映像専攻卒業。現在は東京を拠点に活動 。日常生活のなかで脈略なく発生する「可笑しさ」と、それを生じさせる事物の振る舞いに着目し、映像を軸としたインスタレーションを中心に制作を行う。

主な展示会
2023年「味/処」神奈川県⺠ホールギャラリー(神奈川)
2023年 個展「ラズベリーフィールド」Token Art Center(東京)
2024年「伝統のメタボリズム〜見立て〜」SHUTL(東京)

《枯山水》2020年(記録写真:竹久直樹)

ネータン・タン

Nathan TAN

1995 年シンガポール生まれの版画アーティスト、アクアリスト。シンガポールの淡水域、自然景観、生態系を探求。人間が見過ごしてしまう一⻆に人間のかすかな存在の痕跡を捉えることに深く根差しており、水中での記憶や観察までさまざまな手法によって作られている。

主な展覧会
2022年 「Blue Imprint: FEEDfragileBACK」Art Outreach(シンガポール)
2023年 「The State of the World」Gmünder Kunstverein(ドイツ)
2024年 「In-Site: A Jungle of Curiosity」INSTINC Space(シンガポール)

《Float to Sink and Repeat…》2022年

速水一樹

HAYAMIZU Kazuki

1996年栃木県生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術専攻博士前期課程修了。ルールや偶然性を表現に取り入れ、「遊び」の要素を以て様々な空間に展開する作品を制作。日常の中で見つけたモノや空間が持つ秩序に、表現手法としての人為が介入することで立ち現れる「かたち」の面白さを探求している。

主な展覧会
2021年 個展「JAM」ギャルリー東京ユマニテbis(東京)
2022年 「HAM 2022パフォーマンス:わたしより大きなりんかくがみえる」つくばセンタービル(茨城)
2023年 個展「道草のプラクティス」大久保分校スタートアップミュージアム(栃木)

《bomb and roll》2023年

東山真蔵

HIGASHIYAMA Shinzo

1996年ロンドン生まれ。2020年ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ、ファイン・アート学部卒業。陶芸、テキスタイルなど様々な技術やマテリアルを組み合わせてインスタレーションを作る。空間とマテリアルが人の心境にどのような影響を与えるかに興味を持つ。

主な展覧会
2021年 「Concept」CICA Museum(ソウル)
2022年 「(((C.U.⊃ES)))」SLOTH(東京)
2024年 「えれめんと」INHERIT GALLERY BOOKS(東京)

《枯山水》2020年

 


ハンス・チュウ

Hans CHEW

1997 年生まれ、シンガポール出身の陶芸家。2023 年多摩美術大学工芸学科陶プログラム卒業。現在はシンガポールを拠点に活動。異質さ、温かさ、不思議さといったテーマに、陶芸を中心に様々な媒体で作品を発表。粘土を触覚的なメディアとして捉え、両手を使って考える行為は、自分の意識を概念化して伝える能力と同じくらい重要であると考え制作を行っている。

主な展示会
2022年「獣」CONTRAST(東京)
2024年「Community Garden #1: The Luxury of Punishment」Supper House(Ann Siang House)(シンガポール)
2024年「In-Site: A Jungle of Curiosity」INSTINC Space(シンガポール)

《街庭》2023年

 

 

Events

ギャラリートーク

12月14日(土)15:00~16:30
※イベントの最新情報はウェブサイト、SNS にてお知らせいたします。

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