第15回展


明日は生まれたてだから

安藤綾 合田有希 藤瀬碧央 まさだ すずみ

2026年1月11日(日)~2月14日(土)
12:00~19:00(金・土は20:00 まで、最終日は16:00まで)火曜休場


生活の機微をとらえ、自分の目で見たもの、心で感じたことを種としてものづくりをする。
そんな4人が会期を迎えるまでの12ヶ月間に直面した、試行錯誤の痕跡、感情の移ろいなどを、立体、切り絵、写真、詩などといったそれぞれの手法で記録した展示です。
生活を営みながら思考し、自分らしい視点で残してきたささやかな事柄たちが、生まれたての明日から始まるこれからの道筋を照らすものとなりますように。

 

川のように流れる時間。
とめどない日々の中で
過去が鎧のようにまとわりつき、
その重さに溺れてしまいそうになることもあります。

それでも
まだ足あとのない雪を歩くことや、
起き抜けの真っさらな光をまとうこと、
むいたばかりのゆで卵も、
行き先をじゃまする風だって、
愛おしくなかった日などないのです。
いつの間にかおなかが空いて、
そうして生きているうれしさを
噛み締めたりもしたのです。

未来は、まだ名前がなくて、
無防備なかわりに何のしがらみもない、
まるで赤ちゃんのような存在なのかもしれません。

明日は生まれたてだから、
どんな姿であろうと祝福されるものであってほしい。
そして、それをそっとやわらかな気持ちで
迎えてあげたいと思うのです。

Contents

Artists

安藤綾

ANDO Ryo

《明かりの棲家》2023年

2000年生まれ。岐阜県出身、東京都在住。23年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。写真や詩、イラストレーションを用いて、他者の存在をテーマに制作を行う。

 


合田有希

GODA Yuki

《心のおなかが空いている》2023年

2000年生まれ。東京都出身。23年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。コピーライター。刺繍やコラージュ、古紙を用いた立体などの工作的な手法を軸に、日々のできごとをおしゃべりするような感覚で制作している。

 


藤瀬碧央

FUJISE Ao

《名前の知らない草を吠え、見たことのない木を嫌うのか》2023年

1999年生まれ。東京都出身。23年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。25年武蔵野美術大学大学院造形研究科視覚伝達デザインコース修了。彫刻、陶芸、本を中心に制作。花が咲く、日が長い、葉が落ちる、夜が長い。日本の季節を過ごす人々の感性を肌で受け止め、自然や身体について創作を行う。


まさだ すずみ

MASADA Suzumi

《いつもの道具》2024年

1999年生まれ。東京都町田市出身。24年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。日々の営みをモチーフに、紙やことばの手ざわりを通して制作をおこなう。 

 

Events

トークショー

1月31日(土)14:00~16:00
ゲスト:佐藤直樹

描くことを中心に、デザイン、書くこと、編集などの活動を行う佐藤直樹さん(さとう・なおき)さん(多摩美術大学グラフィックデザイン学科教授)をお迎えして、普段の制作や、制作と生活の関係性、多摩美時代の話などについて語り合います。

パーティー

1月31日(土)16:30ごろ〜
*トークショーが終わり次第の実施

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